2013年03月01日
豊南市場 ~関西ならでは鯨肉で“はりはり鍋”~
先日取材のお願いに行ってきた豊南市場。スタッフ4人、それぞれにテーマを決めて、取材をすることに。関西に来てまだ一年未満の私のテーマはこちらに遊びに来た友人に喜んでもらえるよう「関西ならでは鯨肉で“はりはり鍋”」です。
まずは、市場にこんな店があることにびっくりした鯨肉専門店『田井鯨肉店』さん。店主の田井謙吉さんによれば、「関西でも鯨肉専門店自体が今はめずらしい。でも関西では関東より今でもよく食べられているんじゃないかな。飲食店に卸すことも多いです」とのこと。

一度も食べたことのない鯨肉。どんな風に調理するのがおいしいのか全く分からないけれど興味深々。
「鯨肉といったらおでん。あと “はりはり鍋”だね。」
はりはり鍋! はじめて聞きました。水菜と鯨肉の鍋だそうですね。名前も面白いし、鍋だったら大人数でも楽しめるし、「関西ならでは鯨肉での“はりはり鍋”」でおもてなし。喜んでもらえそうな気がします。
さて、鯨肉にもいろいろな種類があるのですね。“はりはり鍋”によく使う部位はどこですか。

「どこでもいけるよ。鹿の子がオススメだね。皮の脂身も旨みが出ておいしいよ。赤身もいけるよ」
じゃぁ、お手ごろ価格の赤身をもらおうかな。赤身はどの方向に切ったらいいのですか?
「繊維に逆らって5mmくらい薄く切るといいよ。」
…こんな風に珍しくて食べたことがない、どう料理するのが美味しいか分からなくても、田井さんに質問すると、とびきりの笑顔で、丁寧に教えてくださるので鯨肉が一気に身近になったような気がしました。
鍋といえば昆布、ということで『豊中松前昆布本舗』さんへ。出迎えてくれたのは店主の奥様、東良文子さん。

ここのイチオシはなんといっても羅臼昆布。
「昆布の王様といわれているくらいおいしい。うちは天然ものにこだわって販売しています。傷があるのは天然の証拠なんです。スーパーで買うより品物が良くて安い!」
天然ものは幅が毎年違う。今年の羅臼昆布は幅が広くて、おいしい真ん中の部分が多い、ということも、ここで教えていただいて初めて知りました。

オススメの昆布はどれですか?
「140gで1100円のこれなんかお得ですよ。商売人さんもよく買われます」
わぁ。沢山入っていますね。でも使いきれるかなぁ?
「湿気のないところで保管すれば2年くらい持ちますよ。かえって繊維がやわらかくなって良い出汁がとれるようになります。表面が白くなってくるけど、それはうま味成分が浮いてきてるだけだから大丈夫」
2年も持つんですね。これで鍋の出汁とったら最高だろうな。ちなみに出汁をとった後の昆布食べるのもオススメとのこと。
文子さんは関東出身とのこと、ついでにお土産になりそうな商品も教えてもらいました。
「佃煮を買われるお客様が多いですが、喜ばれるのは断然、汐吹昆布ですね。」
確かに実家に帰るときはいつも買ってこいと言われています。お土産だけではなく普段の食事のもう一品にも汐吹昆布が使えるとか。例えばスライスしたきゅうりに細切汐吹を適量入れて、軽く揉むように混ぜるだけ、野菜炒めの仕上げに細切汐吹を入れるだけで一品完成!他に何も調味料がなくてもおいしいとか。さっそく今度やってみます!
お土産の相談から、普段の食事レシピのアイディアまで昆布に関する話が尽きませんでした。取材中もお土産の相談にいらしているお客様が…。
おいしい鯨肉に、最高級の昆布。もうひとつはりはり鍋に必要なのは水菜です。ということで、次は市場のなかでもひと際元気な声が聞こえてくる青果専門店『豊政』さんへ。

季節のお野菜の他、色々な種類のハーブやロマネスコなどのめずらしい野菜が並んでいます。

「うちの店の特徴をひとことでいうと“めずらしいお野菜とめずらしい人”だからね。」
めずらしい人って(笑)。

「プロの料理人のお客様も多いので、『こんな野菜もここで手に入らないか』というニーズにこたえて、変わった野菜も取り扱うようになったのです。朝だったらもうちょっと色んな変わった野菜があったんだけどなぁ。」と岡田慎治さん。
あらま。じゃぁ今度は朝来てみようっと。大根、白菜、ほうれん草など季節のお野菜も新鮮で元気そうですね! では鍋用に水菜をいただこうかな。この水菜もピンピンしているなぁ。
鍋といえば豆腐も入れたい!といことで、豆腐の『石川屋』さんへ。袋井ご夫婦中心に営まれているここの手づくり豆腐はプロからも「美味しい」と評判だとか。

搾りたての豆乳もここで飲めます。

「スーパーで買う豆乳とは濃さが全然ちがうはず。うちの豆乳を使った鍋も美味しいよ。豆乳600g、出汁600g薄口しょうゆ、味噌で味を整えるのがオススメ。私が試してみてこの分量が一番美味しかったので、お客さんにすすめています」
ほぉ。豆腐屋さん直伝の豆乳鍋、おいしくないわけがありません。今度は素なんて使わないで、ここの豆乳でやってみよう!
ここでは鍋にオススメという焼き豆腐を購入。豆腐屋さんの豆腐というとスーパーよりお高いイメージがありましたが、購入した焼き豆腐は120円、絹や木綿、嵯峨は1丁100円です。安い…。余談ですが嵯峨という豆腐の種類は関西に来て初めて知りました。
さぁこれで「関西ならでは鯨肉でのはりはり鍋」準備完了です。

ポン酢で頂く美味しくいただきました。昆布出汁が良く効いていると、鍋の香り、風味が全然違いました。鯨肉は初めて頂きましたがクセがなくて美味しかったです。半分は竜田揚げに。これは酒のアテにも最高です。水菜はシャキシャキ(いや、はりはりか…)で新鮮!驚いたのは豆腐。すごく味が濃かったです。スーパーの豆腐との差は歴然としています。
市場のみなさんと話していると、自分のお店の商品への愛が伝わってきます。私もスーパーで買ってきたものよりも、大切に食べようという気持ちが芽生えていることに気付きました。こんな気持ちになるのもやはり、店主と直接お話ができる市場ならではじゃないでしょうか。関西弁飛び交う市場で一緒にお買いものするだけでも、関東の友人には楽しんでもらえそうな気がします。
まずは、市場にこんな店があることにびっくりした鯨肉専門店『田井鯨肉店』さん。店主の田井謙吉さんによれば、「関西でも鯨肉専門店自体が今はめずらしい。でも関西では関東より今でもよく食べられているんじゃないかな。飲食店に卸すことも多いです」とのこと。
一度も食べたことのない鯨肉。どんな風に調理するのがおいしいのか全く分からないけれど興味深々。
「鯨肉といったらおでん。あと “はりはり鍋”だね。」
はりはり鍋! はじめて聞きました。水菜と鯨肉の鍋だそうですね。名前も面白いし、鍋だったら大人数でも楽しめるし、「関西ならでは鯨肉での“はりはり鍋”」でおもてなし。喜んでもらえそうな気がします。
さて、鯨肉にもいろいろな種類があるのですね。“はりはり鍋”によく使う部位はどこですか。
「どこでもいけるよ。鹿の子がオススメだね。皮の脂身も旨みが出ておいしいよ。赤身もいけるよ」
じゃぁ、お手ごろ価格の赤身をもらおうかな。赤身はどの方向に切ったらいいのですか?
「繊維に逆らって5mmくらい薄く切るといいよ。」
…こんな風に珍しくて食べたことがない、どう料理するのが美味しいか分からなくても、田井さんに質問すると、とびきりの笑顔で、丁寧に教えてくださるので鯨肉が一気に身近になったような気がしました。
鍋といえば昆布、ということで『豊中松前昆布本舗』さんへ。出迎えてくれたのは店主の奥様、東良文子さん。
ここのイチオシはなんといっても羅臼昆布。
「昆布の王様といわれているくらいおいしい。うちは天然ものにこだわって販売しています。傷があるのは天然の証拠なんです。スーパーで買うより品物が良くて安い!」
天然ものは幅が毎年違う。今年の羅臼昆布は幅が広くて、おいしい真ん中の部分が多い、ということも、ここで教えていただいて初めて知りました。

写真は恥ずかしがりやの文子さんのかわりに撮影に応じてくれたスタッフの『なかさん』
オススメの昆布はどれですか?
「140gで1100円のこれなんかお得ですよ。商売人さんもよく買われます」
わぁ。沢山入っていますね。でも使いきれるかなぁ?
「湿気のないところで保管すれば2年くらい持ちますよ。かえって繊維がやわらかくなって良い出汁がとれるようになります。表面が白くなってくるけど、それはうま味成分が浮いてきてるだけだから大丈夫」
2年も持つんですね。これで鍋の出汁とったら最高だろうな。ちなみに出汁をとった後の昆布食べるのもオススメとのこと。
文子さんは関東出身とのこと、ついでにお土産になりそうな商品も教えてもらいました。
「佃煮を買われるお客様が多いですが、喜ばれるのは断然、汐吹昆布ですね。」
確かに実家に帰るときはいつも買ってこいと言われています。お土産だけではなく普段の食事のもう一品にも汐吹昆布が使えるとか。例えばスライスしたきゅうりに細切汐吹を適量入れて、軽く揉むように混ぜるだけ、野菜炒めの仕上げに細切汐吹を入れるだけで一品完成!他に何も調味料がなくてもおいしいとか。さっそく今度やってみます!
お土産の相談から、普段の食事レシピのアイディアまで昆布に関する話が尽きませんでした。取材中もお土産の相談にいらしているお客様が…。
おいしい鯨肉に、最高級の昆布。もうひとつはりはり鍋に必要なのは水菜です。ということで、次は市場のなかでもひと際元気な声が聞こえてくる青果専門店『豊政』さんへ。

季節のお野菜の他、色々な種類のハーブやロマネスコなどのめずらしい野菜が並んでいます。

「うちの店の特徴をひとことでいうと“めずらしいお野菜とめずらしい人”だからね。」
めずらしい人って(笑)。
「プロの料理人のお客様も多いので、『こんな野菜もここで手に入らないか』というニーズにこたえて、変わった野菜も取り扱うようになったのです。朝だったらもうちょっと色んな変わった野菜があったんだけどなぁ。」と岡田慎治さん。
あらま。じゃぁ今度は朝来てみようっと。大根、白菜、ほうれん草など季節のお野菜も新鮮で元気そうですね! では鍋用に水菜をいただこうかな。この水菜もピンピンしているなぁ。
鍋といえば豆腐も入れたい!といことで、豆腐の『石川屋』さんへ。袋井ご夫婦中心に営まれているここの手づくり豆腐はプロからも「美味しい」と評判だとか。

搾りたての豆乳もここで飲めます。

「スーパーで買う豆乳とは濃さが全然ちがうはず。うちの豆乳を使った鍋も美味しいよ。豆乳600g、出汁600g薄口しょうゆ、味噌で味を整えるのがオススメ。私が試してみてこの分量が一番美味しかったので、お客さんにすすめています」
ほぉ。豆腐屋さん直伝の豆乳鍋、おいしくないわけがありません。今度は素なんて使わないで、ここの豆乳でやってみよう!
ここでは鍋にオススメという焼き豆腐を購入。豆腐屋さんの豆腐というとスーパーよりお高いイメージがありましたが、購入した焼き豆腐は120円、絹や木綿、嵯峨は1丁100円です。安い…。余談ですが嵯峨という豆腐の種類は関西に来て初めて知りました。
さぁこれで「関西ならでは鯨肉でのはりはり鍋」準備完了です。
ポン酢で頂く美味しくいただきました。昆布出汁が良く効いていると、鍋の香り、風味が全然違いました。鯨肉は初めて頂きましたがクセがなくて美味しかったです。半分は竜田揚げに。これは酒のアテにも最高です。水菜はシャキシャキ(いや、はりはりか…)で新鮮!驚いたのは豆腐。すごく味が濃かったです。スーパーの豆腐との差は歴然としています。
市場のみなさんと話していると、自分のお店の商品への愛が伝わってきます。私もスーパーで買ってきたものよりも、大切に食べようという気持ちが芽生えていることに気付きました。こんな気持ちになるのもやはり、店主と直接お話ができる市場ならではじゃないでしょうか。関西弁飛び交う市場で一緒にお買いものするだけでも、関東の友人には楽しんでもらえそうな気がします。
Posted by とよなかカラフル at 12:14│Comments(0)
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